半導体市場 2023(Semiconductor market)

今回は半導体市場についてまとめてみました。

1-1.半導体市場

　米SIA（Semiconductor Industry Association：米国半導体工業会）は、2023年5月の半導体世界売上高（3カ月移動平均値、以下同）が407億4000万米ドル（約5兆8380億円：1米ドル＝143.31円で換算）だったと、2023年7月6日（現地時間）に発表した ニュースリリース 。

Semiconductor Industry Association(SIA)が、2023年5月の世界半導体業界販売高が$40.7 billionとなり、2023年4月の合計$40.0 billionから1.7%増加、しかし2022年5月の合計$51.7 billionからは21.1%減少したと発表した。月次販売高は、World Semiconductor Trade Statistics(WSTS)組織によって編集され、3ヶ月移動平均を表している。SIAは、売上高で米国半導体業界の99%を代表し、米国以外のチップ企業のほぼ3分の2を代表している。

参照：Global Semiconductor Sales Increase 1.7% Month-to-Month in May - Semiconductor Industry Association

参照: https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/15564/?SS=imgview&FD=-1479004795

1-2. ファウンドリー市場の2023年第1四半期（出所：TrendForce）

　台湾の調査会社TrendForceは2023年6月12日、ファウンドリー市場の2023年第1四半期（2023年1～3月期）における売上高上位10社を発表した。10社の売上高は軒並み減収で、全体では前年同期比18.6％の大幅減となった。「最終市場の需要低迷が続いていることや、閑散期の影響が重なった」（同社）と分析する。

　売上高が約170億米ドル（1ドル=144円換算で約2兆4500億円）で首位の台湾TSMC（台湾積体電路製造）や、約34億米ドル（同約5000億円）で第2位の韓国Samsung Electronics（サムスン電子）は順位を維持した。一方、台湾・聯華電子（UMC）を押しのけ、第3位に順位を上げたのが米GlobalFoundries（グローバルファウンドリーズ）だ。米国内での旺盛な需要から、UMCと比較して減収を抑えられたことが大きい。

　同調査での第4位以降の売上高順位は以下の通り。UMC、中国SMIC（中芯国際集成電路製造）、中国Huahong（華虹） Group、イスラエルTower Semiconductor（タワーセミコンダクター）^注1）、台湾PSMC（力晶積成電子製造）、台湾VIS（Vanguard International Semiconductor）、韓国DB HiTek（DBハイテック）と続いた。

注1）同社については、米Intel（インテル）が2022年に買収を発表している。

　TrendForceはファウンドリー市場全体の減収が目立った原因について、半導体工場の「稼働率と出荷量の低下」と分析する。

　TSMCの2023年第1四半期における売上高は、前年同期比16.2％の減収となった。ノートパソコンやスマートフォンなどの需要低迷により、7～4nm世代半導体の稼働率と収益が大幅に低下したことが大きい。「第2四半期は少し改善するも振るわないだろう」（TrendForce）と見込む。

　売上高第2位だったサムスン電子は、前年同期比約36％減と大きく響いた。8インチと12インチウエハーの稼働率がともに低下したためである。「3nm世代の新製品の投入が、第2四半期の収益に貢献すると予想される。減少率が緩和される可能性が高い」（TrendForce）という。

　売上高第3位だったグローバルファウンドリーズは、他社と比べると減収を抑えられ、前年同期比約12％減だった。同社は自動車や防衛、産業機器、政府用途など米国におけるさまざまな分野からの旺盛な需要により、安定した経営を維持した。第2四半期については「第1四半期と同様の収益水準になると予想される。産業用IoT（Internet of Things）や航空宇宙・防衛、自動車分野からの安定した需要の恩恵を受け、稼働率を下支えするだろう」（TrendForce）と予測した。

参照：　https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/15520/?SS=imgview&FD=1481531